近年大ブームになっている食材といえば、オートミール。欧米の定番朝食としても知られるオーツ麦(燕麦)を加工したオートミールは、水や牛乳などで浸したり、軽く煮るだけで簡単に食べられることから、日本でも取り入れる方が増えています。
腸内環境に作用する食物繊維がたっぷりで、健康やダイエットに良いとされるオートミール。しかし、一方で「実は、体に悪いのでは?」「痩せるどころか太ったり、お腹が張って便秘になる」などと、真逆の声もあがっています。
オートミールのダイエット効果や健康メリットは、本当のところどうなのでしょうか。
【目次】
7.まとめ
オートミールの食べ過ぎによるデメリット
健康食品として注目されるオートミール。ネットで検索すると、レシピも溢れるほどありますよね。オートミールには多くの健康上のメリットがありますが、どのような食品であっても、プラス面とマイナス面があるもの。オートミールも例外ではありません。
【食べ過ぎによるデメリットの声】
・便秘になり、太った
・消化が悪く、腹痛が起きる
・下痢や嘔吐を引き起こすことがある
・おならが臭い
・思った以上にカロリーがある
・栄養が偏る
便秘や下痢、消化不良や嘔吐、カロリー過多などは「食べ過ぎによるもの」「アレルギーや体質に合わないことによるもの」が原因と考えられます。
オーツ麦は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類の食物繊維、セレン(人の体に必要不可欠とされる必須ミネラルのひとつ)、ビタミンなどが豊富に含まれています。
まず、消化に時間がかかるのは、食物繊維が豊富なためです。「水溶性食物繊維」は、摂りすぎると水分が多くなりすぎて下痢をおこす原因になり、「不溶性食物繊維」は、摂りすぎると便のカサと量が増えすぎて便秘になることがあるそう。
セレンは「活性酸素をおさえる抗酸化作用」があり、老化予防によいとされますが、摂りすぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるようです。
食物繊維をあまり食べる習慣がなかった人が、いきなりオートミールをたくさん食べたり、常食するようになると、胃の膨張や腸内にガスが充満して腹部が膨れたり、痛みや不快感を引き起こす可能性が指摘されています。
腸壁が刺激されてリーキーガット症候群の発症などにつながるレクチンや、カルシウムと結合すると吸収を低減させるフィチン酸が含まれており、健康な方であれば問題はない成分ですが、まれに消化のトラブルを引き起こすことも。
オートミールには、グルテンに似た構造のタンパク質が含まれているため、グルテン不耐症やオート不耐症のようなアレルギーを発症する人がいます。鉄欠乏貧血の人、糖尿病の人など、そもそもオートミールをおすすめできない体質の人もいます。腸が刺激を受けやすくなっている「過敏性腸症候群」の人や、慢性消化不良の症状がある方も、オートミールの摂取は不向きといえます。※オートミールを摂取してもよいかどうか、医者と相談するようにしてください。
オートミールに限らず、食べ過ぎれば当然太りますよね。オートミールはそのままだと味がないので、トッピングや甘味料を加えすぎることで、糖質をとりすぎるケースがあるのも要注意!
参照:ホリスティック栄養学&ストレスケア/オートミールの健康上メリットはいっぱい!でも、デメリットも知っておこう!!/https://jhna-stresscare.info/entry/oatmeal
オートミールのその他のデメリット
過去に、クエーカー社のオートミールから、発がん性があるかもしれないとされるグリホサートという農薬が法定基準値を超えて検出され、リコール対象になったことは有名な話。
グリホサートは、世界で最も使用されてきた除草剤成分です。国際がん研究機関が、2015年に発がん性の可能性があることを発表し、その安全性は今も議論をよんでいます。
フランスでは、2019年に一部のグリホサート使用製品の販売禁止、ドイツは2023年までにグリホサートの使用を禁止するとしています。そんな中、日本はアメリカと同じく、「発がん性は認められない」としてグリホサート規制緩和が進んでいます。
日本で購入できる製品については、許可されたものであるとはいえ、消費者としては安全性が気になるところです。
参照:厚生労働省/グリホサート(案)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000168500.pdf
どのくらいからが「食べ過ぎ」になるの?1食の適量は?
オートミールの適切な摂取量は、一般的には30g~50gを1食分とし、1日あたり100gまでが望ましいとされています。
気になるカロリーですが、オートミール1食を白米と比べると、半分もしくはそれ以下しかありません。
どのくらいが食べ過ぎになるのかは、個人差もありますが、摂取は少ない量から徐々に増やすほうが体に負担がかかりません。
参照:オートミール専用ページピントル/オートミールのカロリーや栄養価について/https://food-drink.pintoru.com/oatmeal/nutritional-value/
オートミールのデメリットをカバーするには?
特別なアレルギーや疾患がない方が、オートミールのデメリットを回避するには、どうすればいいのでしょうか。
基本は、いきなりオートミールだけをたくさん食べるようなことは止めましょう。少量をゆっくりとよく噛んで食べる、完全に噛み砕いてから飲みこむことにより、消化を助けます。
水分量が少ない、または加熱不足によって胃や腸に負担をかけていることもあるかもしれません。十分な水分も摂りましょう。
消化不良やお腹の中のガスの発生を抑えるには、クイックオーツのように加工度が高く調理しやすいもの、甘味料が入っていないオートミール製品から試していくのがベター。
ダイエットを目的にオートミール食を始めたものの、調理に時間がかかり過ぎたり、口に合わないと思いながら我慢して食べても効果が出る前にギブアップしそうです。まずは、自分の口に合うオートミールや食べ方、調理法を時間をかけて見つけてください。
オートミールには、腹持ちがいいだけでなく「セカンドミール効果(昼食後の血糖値の上昇を抑える)」があるといわれています。ダイエットに励む方は、この効果をうまく利用したいですね!
オートミールで得られるメリット
オートミールは精白を行なわず外皮を残したまま加工されるため、栄養が豊富。ダイエットだけでなく、離乳食や介護食としても注目されています。オートミールクッキー、オートミールのお好み焼き、オートミールパンケーキのように、いろいろに調理できるのも魅力。
女性にうれしい栄養素も見逃せません。ビタミンB6や亜鉛は、女性ホルモンのバランスを整えるサポートし、マグネシウムはリラックス効果をもたらしてくれます。フィチン酸は、生活習慣病による血液不調の改善や、日焼けによるシミやくすみの予防につながる成分。
オートミールに含まれる水溶性食物繊維「βグルガン」は、免疫アップやコレステロール値を下げる役割を担い、ダイエットの味方!血糖値の上昇が緩やかといわれる低GI食品であるオートミールは、生活習慣病や糖尿病の予防にも期待ができます。
継続してオートミールを食べるなら、価格も気になるところですね。オートミールと白米やパンを比較すると、オートミールの価格が高いように感じますが、1食分30gで換算すると、コスパが良いことがわかります。
参照:G-veggie/オートミールとは?種類・特徴、その豊富な栄養価や効果的な食べ方まで解説!/https://www.g-veggie.com/post/i-1-ct
オートミールの基本的な食べ方
食べるタイミングはいつでも良いのですが、深夜や寝る前に食べるのは、体に負担をかけるのでオススメできません。また、回数は1日2食までにすること、1食の量を30gまでと決めてよく噛んで食べること、甘味料をいれすぎないことなどがポイントです。レシピにより以下のようなオーツの種類を使い分けるのがポイントです。
~オートミールの種類~
【スチールカットオーツ】
脱穀した麦を2~3つにカットしたもの。そのままでは固く、30分前後の調理時間が必要なので、初心者には取り扱いが難しいかも。ホールオーツの栄養価は高く、GI値はオートミールのなかでもっとも低いので、血糖値コントロールを目指している方に最適です。
【ロールドオーツ】
オーツ麦を脱穀したあとに蒸して、平らに押しつぶしたり伸ばしたもの。米化に向いているオートミール。オーツ麦の形状が残っているので、しっかりした食感。数分程度の調理が必要です。
【インスタントオーツ】
ロールドオーツをさらに細かくカットしたもので、調理時間が短く済むのが特徴。砂糖や塩分で味付けされているものも多く、ミルクや豆乳でふやかしてすぐ食べられるものもあります。初心者向きですが、糖質を気にする方は避けたほうがよさそう。
【クイックオーツ】
ロールドオーツを細かく砕いたもので、インスタントオーツほど細かくはなく、水に溶けやすいのが特徴。数分で米化調理でき、おかゆ作りにも最適なので、ダイエット中の方や初心者向き。
まとめ
ビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質が豊富に含まれるオートミールは、大変健康に良い食材ではありますが、誤った食べ方をしてしまうと逆効果。今回はオートミールのデメリットとメリットを知り、適切な食べ方をすればダイエット効果も期待できることをご紹介しました。
そもそも消化や腸に問題を抱える人、アレルギーの不安は、自分でコントロールが難しい場合もあります。医師や専門家に相談しましょう。
特に健康上の心配がない方も、無理なく少しずつ摂取し、いろいろなレシピを参考にしながら、オートミールで健康的にダイエットを成功させましょう!
『オートミールを使ったアインソフ自慢のお菓子』一覧はこちら↓
オートミールを使用した大人気レシピ「オートミールグラノーラバー」や「オートミールのお好み焼き」などのレシピ記事を公開しています。
さらに、公式YouTubeでもレシピをご紹介していますので、ぜひご活用くださいね。
『オートミールレシピ』の再生リストはこちら↓
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